感情表現の下手な女

・・別にクールにしているワケではない。ただ、感情を上手く表現する事が苦手なだけだ。
そんな私の厄介な性格を・・可愛いといってくれた彼がいた。
大抵は、「めんどくさいなァ・・」と思うようだ。
その彼は、そんな私の性格を、そのまま直さなくて、いいとまで言った。
そういう心を汲み取ってこそ・・理解できるのではないかといってくれた。
さすが、大人だ。
当時22歳・・30歳の彼を見て、何よりも思ったことは、地位もあり、金もそれな理に持ち、ソシテ、何よりも大人だと思った。
私にとって、頼りきってしまっても支えてくれる。どんなわがままも笑って聞いてくれる彼が頼もしくもあり、ソシテ、凄い人だと思った。
時として、むちゃくちゃな事も、平気でやっていた私のそのむちゃくちゃな行動までも彼からしてみれば、面白い事の一つに過ぎないとの事だった。
ソシテ、いつも「僕は君のすべてが愛しいと思っているよ。」と・・。オモワズ私が、ひいてしまうような事も、あたりまえのような顔で言う。
凄いなァ・・ト私はイツモ思っていた。
彼と一緒に住む事になっても全く変わることなく、私は私で、寝るために帰ってくるような感じであったにもかかわらず、優しさは変わることなくそれどころかますます優しかった。
不思議な人だと思った。仕事をしているときの彼とは、全く異なるその姿を見るたびに・・ドンドン惹かれる私がいた。
恋人がいたにもかかわらず、そっちに惹かれていったのには、計算もあったけど、矢張り懐の大きさが一番だったのかもしれない。
大きな喧嘩もなく3年のときが過ぎ・・・
私は部屋を後にした。

年が変わって、間もないころ。

アリガトウ
の書置き一枚で・・・

やっぱり今も表現は下手なままであった。